御聖訓2019年4月

平成31年4月度 御報恩御講
如来滅後五五百歳始観心本尊抄
(にょらいのめつごごごひゃくさいにはじむかんじんのほんぞんしょう)

天台の云(い)はく「雨の猛(たけ)きを見て竜の大なるを知り、花の盛(さか)んなるを見て池の深きを知る」等云云。
妙楽(みょうらく)の云はく「智人は起を知り、蛇(じゃ)は自(おのずか)ら蛇を識(し)る」等云云。
天晴れぬれば地明らかなり、法華を識(し)る者は世法を得(う)べきか。一念三千を識らざる者には仏大慈悲を起こし、五字の内に此の珠(たま)を裹(つつ)み、末代幼稚の頸(くび)に懸(か)けさしめたまふ。
(御書661-662頁)

天台大師は「降雨の激しさを見て竜の大きいことをしり、花の大きさを見て池の深さを知る」と。
妙楽大師は「智人は仏法の起こりを知り蛇は自ら蛇を知る」と。
空が晴れれば大地の様子がはっきりと見て分かるように、法華経を識る者は世法をも得ることができる。
一念三千の法門を識らない者には、仏様が大慈悲を起こして、妙法蓮華経の五字の中にこの珠を裹み、末代幼稚の人々の頸に懸けて下さるのである。

*竜とは大きく激しく降らせる雨雲。ゲリラ豪雨の時の雲。
**智人は弥勒菩薩を指す。蛇もまた弥勒菩薩。
***真の智人は地涌の菩薩