御聖訓 令和元年(2019年)8月
上野尼御前御返事(うえのあまごぜんごへんじ)
(弘安3年11月15日 59歳 御述作)
法華経(ほけきょう)と申(もう)すは手に取れば其(そ)の手やがて仏に成り、口に唱(とな)ふれば其の口即(すなわ)ち仏なり。譬(たと)へば天月(てんげつ)の東の山の端(は)に出づれば、其の時即ち水に影の浮かぶが如(ごと)く、音(おと)とひゞきとの同時なるが如し。故(ゆえ)に経に云(い)はく「若(も)し法を聞くこと有らん者は一(ひとり)として成仏せずといふこと無けん」云云(うんぬん)。文(もん)の心は此の経を持(たも)つ人は百人は百人ながら、千人は千人ながら、一人(いちにん)もかけず仏に成ると申す文なり。
(御書1574頁 7行目~10行目)